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雄山登山の行方 Vol.1

雄山登山に至るまで

 2020年10月31日、登山者なら一度は登りたいであろう立山本峰の雄山(標高3003m)に登ったときの写真が出てきて「あーまた登りたいなー」ということで。
 そのときの様子をまとめてみます。

 雄山登山の動機なんですが、実は、それだけを目指していたわけじゃなく、富山県の立山町に仕事関係の研修で訪れる機会があったので、天気が悪くなければ、登ってみよっかなあ、ぐらいに考えていて、まあ、立山町に訪れたのは研修がメインだったので、最終日までは、雄山登山のことを全然考えてはいなかったですね。

登山をしていれば「いつかは立山」なんですかね

称名滝

 研修の最終日、夕方前に無事修了したので、いよいよ登山モードに切り替えることにしたんですが、まずは、ということで、研修所から車で50分程度の場所にある、落差日本一の称名滝を見に行きました。
 詳しくは富山県観光公式サイトの「とやま観光ナビ」を見てください。
 富山県の秘境スポットとして、日本一落差がある滝「称名滝」が紹介されています。
 落差はなんと350m、東京タワーのテッペン少し上から水がザンザン流れてくるイメージです、と書いておきながら、イメージしづらいわと、反省も同時にしているんですよね。
 私が称名滝に向かった時間は、道路の通行可能時間終了が迫っていた時間だったので、なんとこんなに有名な滝が見られる展望台を独り占めできてしまいました。
 です、が、まあ、10月の終わりで空気は冷んやりだし、滝のそばは冷んやりだし、あとから来たカップルからの目線は冷んやりだし・・・ね。
 その展望台には3分もいれなかったです・・・

このときの相棒は北米ホンダのリッジライン
称名滝を背にして見た景色は広がりが抜群
落差日本一の称名滝

10月の終わりなのに路面凍結!?

 称名滝を満喫し、次は宿泊場所の「立山国際ホテル」に移動です。
 たまたま選んだホテルでしたが、歴史を感じるとても立派な佇まいで、食事もお風呂もしっかりと満喫できて立山に再び来ることがあれば、もう一度泊まりたいし、オススメもしたいですね。

広くて過ごしやすい立山国際ホテル

 ホテルからは、次の日の雄山アタック準備なんですが、研修修了後に着替えもせず観光に行ったりしたもんだから、車に載せてるイロイロな荷物の整理を後回しにしていて、全くといって言いほど手付かずだったわけですね。
 で、次の日の出発を5時半ごろにしていたので、そりゃまあ前日準備をしていないと、明日は何時起きだっちゅう話になるわけで。
 ということで、お風呂から上がって、防寒着を着込んで、明日の準備のために駐車場へ向かったんですが、外に出てみると・・・・寒い・・・・寒すぎる・・・嘘みたいに寒い・・・
 天気予報を見てみると、次の日は放射冷却で寒くなるよと・・・
 いや〜空気が澄んで星が綺麗に見えるし、最高だな〜なんて
 ん?そんな楽しんでいる場合じゃないぞこれは、車の窓ガラスがパリパリしとるぞ・・・
 ・・・凍結しとるやないかい笑
 まだ10月の終わりですよ笑
 
 経験というのは必要なもので、こういったこと、つまり地域や環境で変わるものがあって、それを事前にしっかりと調べておいたり、その地域や環境で起こるある程度のコトを、トラブルが回避できる程度に想定することができるようになります。

 さてさて、ということで、次の日の朝はめちゃくちゃ冷えるぞと、スタッドレスタイヤに履き替えててよかったぞと。
 防寒着はアウターシェルにふっかふかのミッドシェル、厚手のミッドレイヤーにベースレイヤーで完全体です。あ、足元はアイゼン必須ですよ。深い雪ではなさそうなので、マムートの3シーズンハイカットシューズで臨みます。
 この時期の立山は平地に雪がないんですが、日本で一番高い場所にある室堂ターミナルには雪が積もっています。
 なので、10月の下旬ですね、これから立山連峰に初めて挑戦しようと思っておられる方は、情報収集を確実に、準備万端で向かいましょう。(※それでも行ってみなけりゃわからないは発生必須です。ここは経験を積むことで発生率を抑制することができるでしょう。挑戦、挑戦、ですね。)

 次の日の朝5時、案の定、路面はバリバリに凍結しているところがそこかしこ。

日本一の高さにあるターミナル

 それは室堂ターミナル
 標高約2450mにある室堂ターミナル、日本最高所に位置する駅で立山黒部アルペンルートの最高地点となります。
 ここへは立山駅からケーブルカーに乗り、美女平からバスに乗り換えて一気に標高を上げていくんですが、もうほんと天気が良ければGOOD VIEWだらけでキョロキョロキョロキョロとバスの中では頭と首が忙しく動きまくります。

立山駅からケーブルカーに乗って美女平へ
立山には人を惹きつける何かがあるのでしょう

 何もなかったドライのアスファルトに、少しずつ雪のお化粧が見えてきます。
 バスの運転手さんから「ここからは森林限界となり、景色が一変します。」と案内があり、見事に開けた景色が目を通り越して脳ミソを貫通するほどの威力で迫ってきます。
 そして、出発した立山駅とは全く違う環境、景色の室堂ターミナルに到着します。

標高が上がるにつれて移りゆく景色

 ん?寒くない?
 いや、防寒着を着てるからかなあ
 風がないからかなあ
 2500mだよな、ここ
 穏やかだなあ

 バスターミナルの入り口から通路に入り、どんな景色が待っているのかと期待に膨らむ胸とニヤける私の顔・・・
 と、少し緊張が緩んでニヤけた顔した私の糸を張り直す、強い声が聞こえてきました。
 「これから登山をされる方、登山届をここで提出してください。アイゼンとピッケルを持っていますか?装備の確認をしてください。外は風が強いので山道が凍結しています。アイゼンがあっても転倒する恐れがあります。ストックのキャップは外してスノーバスケットをつけてください。」
 室堂スタッフさんから、たたみかけるような装備の確認と、登山届の提出促進、当たり前のことができていない人による事故が後を絶たない現状を訴えかけられているようで、いち登山者として、自分の命を守る装備&行動はきちんとしようと、緩んだ顔を往復ビンタ

 装備の確認をしていただき、登山届を提出し、いざ、立山連峰を臨む出口へ

 そこには見たこともない美しい景色が・・・
 言葉が出なかったです。

バスターミナルを出ると眼前に広がる美しい立山の景色

 今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。
 一話完結にしようかと思ったんですが、写真を見ながら書いているうち、その当時のことを思い出すことがあり、「行方」にしちゃいました笑
 次回は「雄山登山の行方 Vol.2」です。
 お楽しみに。

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