富士山登山の行方 Vol.1 » Field Only
ついに来た!!!
ついに挑戦日がやってきました。(今回から文章の終わりに「。」をつけてみる気まぐれ)
「富士山登山」
まず一番気になるのが・・・
そう、お天気ですよね。
1週間前からチェックチェックチェック
なんとまあ変わりやすい天気予報に期待と不安のシーソー状態で、心の振幅が大きく激しくなっていきます。
さらに、少しずつ準備をしてきたはずなのに、後から後から「そう言えば・・・」が湧いてきます。
迷惑ですよね、ほんとに。
移動日が近いのに、ラインでピコンピコン♪「そう言えば・・・」を投稿しまくる私。
「次はなんだいな」と思われてはなかったと信じてますが、登山チームのライングループでは、「そう言えばシリーズ」なんてフレーズを造って、誤魔化しまくり、「そう言えば・・・」を連発するという。
そんなこんなでしたが、それぞれがそれぞれの想いや荷物をザックに詰めて、出発の日を迎えます。
出発から登山口到着まで
鳥取を夜9時に出発してから7時間30分
早朝4時30分の富士宮市は曇りまくって富士山の裾野がチラッとしか見えません。
でも、大丈夫、雲の上は晴れている、、、はず
そして、5時、休憩に立ち寄った小さいパーキングで奇跡の瞬間が!
なんとそれまで姿を見せなかった富士山が、我々の到着を待ち望んでいたかのように雲のベールが消えて「おはようございます」
「でた!でた!でた!でた!」
「で、でかい!」
テンションいきなり爆上がりで心の振幅がぶっ壊れるほど上下します。
「さあ行こう」と足早にパーキングを後にして水ヶ塚公園の駐車場を目指し、富士山スカイラインへ。
富士山スカイラインを車で走行していると絶妙に富士山が見え隠れしていて、スノーパークイエティ付近でいきなり現れた雲海に絶叫し、宝永火口がドーンと見えたときなんか、いろんな感情が込み上げてきて目頭が熱くなっちゃいましたね。まだ登ってもないのにね(笑)
富士山の富士宮口五号目には、水ヶ塚公園の駐車場に自家用車をとめてシャトルバスで向かいます。
見てください。
この富士山の雄大な姿
我々にこんな姿を見せてくれるなんて、もうなんて言っていいかわかりません。
ここに立っていられるのは、一緒に登る5人のイロイロなアレやコレがそろったからなんですね。
それぞれ同じ方向を向いていたから、この瞬間があるのだと感じています。
年齢は50歳になる2人以外はバラバラ、職種は全員バラバラ、生き方もそれぞれ。
だけど、同じ想いを胸に同じ方向を向いて、「遠慮せず、忖度せず」できちんと自分を伝え、「尊敬や感謝、このチームで何かしたい!」で一つになっていると私は感じています。
登山開始
富士宮口五号目に着いた我々は、眼前に広がる雲海を見てテンションが上がりまくり、準備運動をして、予定よりも少し早く、いや、だいぶ早く7時30分に登山を開始しました。(予定は9時開始)
ゆっくりと歩き始めたんですが、すぐに息があがります。
そりゃそうだ、だって酸素が薄いんだもの。
富士宮口五号目は標高2400mで、酸素濃度は0mと比較した場合、75%となり、空気中にある酸素20.9%の75%ということで、酸素は約15.6%になるようです。
そりゃこんな薄い酸素の状態で歩きゃしんどいはずです。
とりあえず、時間がしっかり確保できているので、ゆっくり、ゆっくりと歩を進めていきます。
しかし天気がいいわけで、汗はガンガンに出ます。
登山道はしっかりと整備されていますが、上に行けば行くほどに岩場が出てきて、落石を起こさないように気を使いながら、ハードな登山が続きます。
そのなかでも、楽しむことを忘れない、いや、楽しくないはずがないと、写真を撮りまくり、景色に圧倒され、仲間が登る姿に勇気づけられ、行き交う登山者と挨拶を交わして元気をもらい、もう何書いてんだか何を書いたら自分が満足するのかわかんないくらいの経験がドンドン押し寄せてくるわけです。
登山歴1000倍以上のミスターとの出逢い
富士宮ルートには山荘がいくつもあります。
六号目の宝永山荘、雲海荘、新七号目の御来光山荘、、、
その新七号目の御来光山荘でザックをおろして休憩をとっていると、年配の男性がチームのひとりに声をかけ、Tシャツを褒めてくださいました。
「ありがとうございます」
と伝えると
男性「私のこと知ってる?ミスター富士山って検索したら出てくるよ」と
私「えっ?!まさか」
そう思って帽子を見てみると、2128の数字が・・・・
私「えーーーー!見たことありますーーー!」
ミスター富士山「政府に公認されてて、友人に多くの登山家がいる。三浦雄一郎、野口健、平山ユージ、竹内洋岳、栗城史多・・・・みんなよく知ってるよ。」
私「知ってる名前ばかり・・・もう凄すぎてよくわかりません・・・」
ミスター富士山「今は富士山に登ってるけど、6大陸の最高峰に登って、あとエベレストだけなんだけど、3回挑戦して、1回目は雪崩に巻き込まれてシェルパが6人亡くなって中止、2回目は大きな地震があって雪崩が起きて、テントが吹き飛ばされて9人が亡くなって中止、3回目は8749mまで登ったけど、登頂できなかった。その3回目の登山で寝てるときにシュラフから指が出ちゃってて、凍傷でこうなった。」
と見ず知らずの我々に話してくださり、凍傷の傷痕を見せてくださいました。
私は富士山登山たったの2回、かたやレジェンドは1000倍以上の富士山登山歴や海外での登山歴。
そんなレジェンドに遭遇するという奇跡。
これからの自分のことを考えると、運命的な出逢いなんじゃないかと高鳴る鼓動(心臓がバクバクしてる)
日本を代表する登山家(ミスター富士山こと實川欣伸さん)に声をかけていただけたなんて、嬉しいを通り越して、何を受け取って、どうこの気持ちを伝えたら良いかわからなくなってしまい、出たのは「握手してください。一緒に写真を撮らせてください。」・・・
なんという対応能力の低さとボキャブラリーのなさ・・・ミスターすみません、鍛え直します。
そして、興奮してたのかサングラスを外さずに・・・失礼しました。
ただ、快く応じてくださり
ミスターが笑顔で「頑張ってね」と
私も「応援しています」と
そして私たちは、また歩き始めました。
今日が今日でなければ、7時30分に登り始めていなければ、新七号目で休憩を取っていなければ、このTシャツを着ていなければ、ザックをおろしていなければ、この5人でなければ・・・・
奇跡ってこういう積み重ねなんでしょうか。
感謝ですね。
全てに感謝です。
そして自分にも。
その選択をしたのは自分だから。自分にも感謝していいよね。
ありがとうございます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
次回「富士山登山の行方 Vol.2に続く」
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