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富士山登山の行方 Vol.2

どうせならカッコつけた写真を撮ろう

新七号目の御来光山荘をあとにした我々は、ひたすら宿泊地である九号目の万年雪山荘に向かって登っていきます。(このあとに起こる、まあほんとに私の登山の歴史にはないネガティブイベントがあることも知らず・・・)
相変わらず息は上がりやすいし、ゆっくり歩いてるからか心拍数はそんなに上がってはいない感じです。
が、心臓の鼓動が聞こえるんじゃないかってくらいバクバクいってる。がんばってるっていうか、そんな感じです。
あ、心拍数めちゃ上がってる。
ということで、標高が上がってくると、知らず知らず体への負荷が大きくなってくるんですね。
呼吸はというと、鼻からしっかり吸って、口を少しすぼめて「ふううううううう」と吐くをリズムよく。
そして、歩くときは、足を上げ過ぎなくてもよいルートを見つけながら、ベタッと地に足を着けて、一歩ずつ着実に歩を進めます。
今回は頭痛がなくて、体の調子がよく、足の疲労もそんなにない。
これは、呼吸法だとか、歩き方だとか、そして今までのトレーニングだとかが生きている証拠なのでしょうか。
そんなこんなで、ゆっくりとですが順調に標高を稼いでいき、ところどころ、いや、しょっちゅう写真を撮りまくっていきます。
どうせならカッコつけてみようってことで、それぞれがカッコつけてみます(笑)
写真のキャプションはトップガンを真似してつけたTACネームです(笑)

ここは何号目?

新七号目からどれくらい歩いただろうか・・・しんどいけど楽しいなあ
次の山荘が見え隠れしてきましたよ。
「しんどいけど、もう少しですよ〜、がんばって行きましょう〜」と私
(・・・さっきが七号目だから、次は八号目だよな)
「見えてきた〜」
ここでいよいよ3000mを超え、感慨深い気持ちになります。

新七号目を出発していよいよ3000mを超える


そしてついに八号目に着いたー、と思い
「はーーー、着いたーーーー!!八ご、う、ん?」
「え?・・・元祖七号目?・・・・、・・・・・」
「さっき七号目じゃなかった?」と仲間が一言・・・
「さっきが七号目で、ここが七号目」
「ん?いま何号目?(笑)、んで次は何号目?(笑)」
富士宮口の富士登山というパンフレットによれば、新七号目2780m→元祖七合目3010m→八号目3250mということです(笑)
一同苦笑いで今いるところが元祖七号目と確認して八号目を目指します。

七号目からの七号目で一同苦笑い・・・

元祖七号目では、これから先バテないように少し栄養を摂りますが、ソイジョイやカロリーメイトはパンパンになっています。鳥取県の大山や氷ノ山でも同じように膨らみますが、こんなにパンパンになることはないですね。

カロリーメイトの袋がパンパン

さあ宿泊地の万年雪山荘を目指そう

次こそは八号目だと、ボチボチリスタートします。
行き交う人が若干少なくなってきて、「子どもの姿を見ることが少なくなってきたなあ」なんて話しながら、日本語が私より上手なんじゃないかって優しいイケメンに「写真撮ろうか?」と声をかけていただき、全員で写真に収まり、なんてことを繰り返しながら着実に歩を進めて行きます。
私はこのころでしょうか、少し頭痛が出てきたと思いますが、体の調子や足の具合は全然よくて、「登れないことはないぞ」と、少し安堵したのを覚えています。
が、同じこのころ、雲がモクモクと富士の裾野を駆け上がりながら湧いてきて、同時に山頂が隠れて見えなくなり、登山開始時のあの青空とはここでおさらばです。
私の心の中は「お天気よ回復してください〜、2人の誕生日を祝わせてください〜」と願うような気持ちで満タンになっていましたね。
そして、八号目に到着した我々は少し休憩を取り、いよいよ九号目の万年雪山荘にアタックです。
ここまではとても順調でしたね。
誰も弱音を吐かず、高山病の所見もなさそうでした。
んが、このときは「写真は映えてるし、気分はいいし、、、でも、お天気がなあ、あんなに天気よかったのに今じゃ曇りだしなあ、山頂アタックできるかなあ」なんて不安をめちゃめちゃ抱えていましたね。

日本語が上手な外国人イケメンに撮影していただきました
柱が2本立っていましたが、両方にお賽銭が刺さっていて、私もお天気回復を願い、お賽銭をズドン
八号目は割と渋滞していましたね
コーディーとセイフが山頂の様子を伺い着々と歩を進めます

九号目に到着するも・・・

ほんとに着実に、そして確実に歩を進めた我々は、ほどなくして九号目に到着するのですが、ここで「濡れ衣事件」が起こるわけです。
私が万年雪山荘に到達したのは、覚えてる限りでは先頭だったと思います。
なので、「到着しましたよ〜」とチームのみんなに声をかけると
「えっ!?着いたの?」
「あれ、この上のあそこじゃないの?」
と言われるわけなんですね、私。
「いや、ここですよ。ここが九号目の万年雪山荘ですよ。宿泊場所です。」と私。
「いや、この上のあそこだって言っとったがな。」とリーダー(TACネーム)が・・・
「いや、言ってないっすよ。」と私
「いや、ファイアー(TACネーム)が言っとったと思うけど。」と
「いや、言ってないっすよ、ほんとに」と私
(笑)(笑)(笑)
お互い笑って済ませました(笑)もう面白いんだからこれが。

ちょうど4時間でここまで登ってきましたー

と、いうことで、濡れ衣をかけられたのが引っかかりますが(笑)、登山開始からちょうど4時間で九号目の万年雪山荘に5人が無事、到着したのでした。
ありがとうございました。
ここは3460m
異世界ですね。
空は宇宙を感じます。
静かにしていれば、耳の中がどうにかなったんじゃないかってくらい、凄まじく音がないです。
裾野は雲に覆われている町、そうじゃない町と次々に我々の目を奪う光景が現れるのです。
ここまでついに来ましたね。
あとは、飯食べて、山頂アタックです。
天気は持ちそうだと信じて、万年雪山荘で昼食を摂り、山頂アタックに臨むのでした。

富士宮ルート九号目、万年雪山荘からの集合写真
牛丼1杯1500円ですが、3460mで食べれるかと思ったら感謝ですね

九合目で休憩を取った我々は、5人部屋となっている場所に荷物を固めて置いて、山頂アタックを行う目的で装備を軽量にしてサクサク登る作戦にしましたが、これが吉と出たのか凶と出たのかは、お楽しみですね。
・・・・このブログの冒頭にも書きましたが、「このあとに起こる、まあほんとに私の登山の歴史にはないネガティブイベントがあることも知らず・・・」
がこのあと起こるのでした。

九合目からの山頂アタックは軽装備で向かいます

今回も最後まで見てくださりありがとうございます。

次回は「富士登山の行方 Vol.3」

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