美しい景色の先に
室堂ターミナルを出た私の足元は、シャリシャリの雪が積もっていました。
天気は快晴・・・快晴なんだけど、今まで見てきた快晴っていう感じ以上なんだよなあ笑・・・
快晴以上の天気を表す言葉はないのかなあ・・・すごい快晴・・・(語彙力のなさっていうね笑)
ということで、快晴のなか、立山本峰の一座である雄山山頂に向け、サクサク音を奏でながら、歩き始めます。
周りを見渡すと、人がいません。
全然少ないイメージです。
ケーブルカーに乗ったとき、バスに乗り換えたとき
あれ?人いなかったっけ?いや乗ってたぞ・・・どこいったんだ?
ま、いいか
山道には、まばらに登山者が確認できるんですが、ほぼいないですね。
まあ、私は登るの初めてだったし、この季節はこんなものなのかなあと。
山道に積もっている雪はそこそこあるんですが、深くなく、しまっている印象で、日陰になったところはシューズで踏みつけるとパリパリと音が鳴るような感じです。
雪もしまってるし、トレースあるし、しばらくはなだらかだしアイゼンなしで歩いてみるか。
うん、歩けるぞ。
ゆっくリズムで行きましょう。
それにしても、めちゃめちゃ綺麗な山なんです。
景色も写真ではわからない奥行きと広がりがあって、500mほど上の山頂付近も目視することができます。
え?あそこが山頂?
いやこれあっと言う間に着いちゃうぞ。
いやでも、ここで油断してスピード上げて高山病になったら何やってんだってことになるから、気にせず登ろ。
で、テクテクテクテクテクテクテク
ただただ美しい景色に目を奪われながら歩き続けます。
お天気は快晴が続いていて、無風なので、登っている途中に体がボッカボッカしてきます。
ホッカホッカじゃなくてね、もうほんと暑くなってきてね・・・熱くなる←こっちもですね笑
レイヤリング
山ではレイヤリングをしておくことで、細かな体温調整が可能です。
機能的なウェアを脱いだり着たりしながら、体温調整して、熱中症予防、脱水予防、低体温症の予防を積極的に行います。
ええと、予防の観点で考えると、「結果」に対して準備することになると思うんですが、「その結果にならないように」と考えると不安がつきものになっちゃいます。荷物も多くなっちゃいます。
「こんなことが起きたらどうしよう」「あんなことになったらどうしよう」
かくいう私も、不安が強いタイプの人間なので(たぶん)、これまではザックの重さなんて気にしないくらい、いろんなものを詰めて登っていました。
結局使わないものばかりで、足への負担をただ無意味に増やしているんだなあと、その結果、疲れが早く出たり、次の日が辛かったりね、するわけですよ。
トレーニングとしてやるなら別かもしれませんが、登山を楽しみに来てるんなら、辛くない方がいいですよね。
もちろん、初心者や経験が少ない登山者が何も考えず想定せず、軽量化ばかりを気にすることはオススメしません。
登山は特に経験だと感じます。
もっともっと経験を積みたいですね。
もっともっと経験を積んで、荷物最小限登山をむしろ楽しんだりできるようになりたいですね。
いつになることやらですが・・・
ということで、傾斜が少ない場所に立ち止まり、レイヤリングを変更してアイゼンも装着します。
そこへ同じくらいの年代の男性がやってきます。
「どちらからですか?」
↑これ、山あるあるのご挨拶?的なやつです。
「鳥取からです。」「どちらからですか?」
「地元です。」
↑これもあるあるなやり取りです笑
「いい天気ですね」
「最高ですよ、今日」
このあと何を話したのか、2年前のことなので覚えてはないですが、その男性も私も笑顔であったことは間違いないです笑
レイヤリングを変更するだけなので、短時間でその場所をあとにしたんですが、このあと、再びこの男性と出会うことになりました。
と同時に、雄山からのサプライズとも出逢うという。
雄山からのサプライズ
「あ、先ほどの」
「あそこ、ほらあそこに雷鳥いますよ」
「えっ!?雷鳥!?」
山道から少し上を見上げると、少し離れたところに可愛らしい姿がハッキリと見えます。
それがこちら↓(一眼レフカメラの250mm望遠レンズで撮影)
雷鳥の存在を教えてくださった男性いわく
「あまりにも快晴だとなかなか出てこないから、今日は逢えないだろうなあって思ってたんです。」
「ラッキーですよ。今日」
ということで、ラッキーいただきましたー
雄山様、素敵なサプライズを有り難うございます。
それを惜しげもなく私に教えてくださった男性の方、有り難うございます。
あなたと出逢わなければ、雷鳥さんをスルーしとりました。
このあと登ってこられた女性登山者さんにも伝えましたが、そのときには、雷鳥さんがトットトットトットトットと小走りにハイマツの中へ入ってしまったので、ほんとに短時間のラッキーだったと感じましたね。
山の中の出逢いは、ほんとに不思議。
何かのタイミングが少しでもズレていれば、その男性にも雷鳥さんにも出逢うことがないわけです。
感謝ですね。
62回目と初めてと
登山をしていると多様な方に出逢います。
出逢いは1回、そのとき限りです。
なのに、いつまでも覚えてるんですよね。イベントというか、エピソードというか。
雄山登山のルートにある一ノ越というところを超えてくると、岩場の急登が始まります。
明らかに角度が違うわけです。
景色は気になるんですが、角度がキツいし、浮石もあって、足元が油断できないルートです。
植物はもちろん生えていないです。
ルートはある程度見えるんですが、積雪も相まって「ここを登る」っていう感じではないですかね。
下から登ってくる人がいるので、石を落とさないように、私も、上から降ってくる石に当たらないように警戒も怠らずですね。
いずれにしても慎重に歩を進めて山頂を目指します。
少し広くなってきたところで息を整えるために休憩します。
標高は2800mくらいだったでしょうか。
そこから見える景色がもうわけわかんないくらいの絶景です。
「いや〜今日最高だね〜」
私が休憩していると、下から登ってきた年配の男性に声をかけられました。
「めちゃめちゃ天気いいですよね」
「いやほんと今日最高だよ」
「私、今日初めてなんですよ。雄山に登るの」
「そうなの!?そりゃラッキーだよ。私、今日が62回目なんだけど、こんな日ないよ」
「富士山見えるし、白山見えるし、山頂に上がったら槍ヶ岳、剱岳・・・もう全部見えるじゃない、こんな日ないよ、お兄さん、ラッキーだよ」
またまたラッキーいただけたようですね笑
感謝しかないです。
有り難うございます。です。
立山本峰
山に登らない人、興味がない人は知らないかもしれませんが、「立山」という山は存在しないようです。
立山というのは総称のようで、私が登った「雄山」とそれに連なる「大汝山」「富士ノ折立」を合わせて「立山本峰」というようです。
こういったことを知ると、山の見方が変わってきますよね。
さらにですが、日本三霊山ということで、富士山、白山、雄山がそのようです。
って、この日に全部見れてるーーー
山頂
ゆっくり、ゆっくりと歩を進めると、山頂が近づいてきます。
人は少ないですね。
雪を踏むとカリカリと乾いた音。
そしていよいよ山頂へ。
なんというか、ものすごく静かです。
風はほとんどありません。
黙っているとシーンとしています。
他の登山者さんが歩く音、装備を触ってる音、周りに配慮した話し声。
山頂から見る景色は見たこともない美しさです。
疲れはどこかにいっちゃいましたね。
どんな言葉を連ねても伝わらないですよ。これは。
お天気に恵まれ、ラッキーが続き、雄山登山の経験は人生の貴重な1ページとなりました。
今回も最後まで読んでくださり有り難うございます。
雄山登山の行方は、最高の快晴と出逢い、ラッキーに彩られた登山となりました。
次回は雄山登山で撮影した写真のギャラリーを作成してみたいと思います。
美しい景色をお楽しみに。
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