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新世界の扉【マルチピッチクライミング編】

クライミングの世界に踏み込む

 さあいよいよ新世界の扉のひとつ目に「挑戦」です。
 どんな扉なんだって、気にしてくださっていたと勝手に信じ込んでますが笑、そう、実は「クライミング」に挑戦したのでした。
 しかも岩山です。
 人工的な壁ではなく、自然の岩山です。

 場所は11月の上旬に登った雪彦山の地蔵岳・・・ん?
 ロープを使わずに登ったぞと。
 あの岩山のどこから登るんだろう・・・

 そんなことを考えながら雪彦山登山口へ。

 クライミングに挑戦とは言っても1人で行うことができないマルチピッチクライミング。
 今回は、登山ガイド事務所の山志さんのプランに申し込んだんですが、ガイドは「山岳ガイド笹倉孝昭さん」です。
 もしかしたら知っている人がいるんじゃないでしょうか。
 そう、「大人の山岳部」や「アルパインクライミング教本」の著者である、あの笹倉孝昭さんです!!

 ん〜〜やはり「挑戦」すると世界が広がりますよね。
 まずは会えない人に出会えるってこと。
 その人からイロイロなことが学べるということ。

 ですが。

 もちろん自分自身が「学びたい!」というマインドを持つことが最も大事なことですよね。

 何を学びたいのか何をしたいのか何を目指しているのか。

 さあ「挑戦」だ!!

地蔵岳に行くまでが・・・

 雪彦山登山口で集合してみると、笹倉ガイドと私の2人だけということで、これは嬉しかったですね。
 マンツーマンということはそれだけ時間が濃密になりますから、じっくりと学ぶことができます。
 もうウキウキしてきちゃいます。
 挨拶を交わして「ここから移動します」ということだったので、車で別の登山口まで移動です。
 
 ん?地蔵岳にこっちから行けるのか・・・
 全然イメージつかないやってことで、ひたすらついていって目的地に到着です。

 では。

 ということで、ここから装備のチェックを行なって入山です。
 ハーネスやヘルメット、カラビナ、ビレイデバイス、クライミングシューズや行動食などを笹倉ガイドに聞きながら準備していきます。
 マルチピッチクライミングはロープの長さを1ピッチとして、複数ピッチを登っていくというクライミングになります。
 前回の登山で登った感覚だと1ピッチで十分な高さだったので、どんな感じになるんだろうなあ、なんて。

 笹倉ガイドの装備を見ながら勉強勉強・・・

 さてさて装備が整ったところで出発です。
 前日まで降り続いた雨は止んでいましたが、山道は降り積もった落葉でギッシリ落葉ロードになっています。
 この落葉ロードはかなり滑りやすくなっていて、油断すればすっ転んでゴロゴロと落ちていきそうです。
 
 先行する笹倉ガイドは、これ山道なんだろか?って山道をテクテクスンスンと進んでいかれます。
 私ひとりなら・・・もう迷います。序盤ですぐに迷います。
 というか、これはたぶん行ける人にしか行けないんでしょうね。
 だからガイドさん、必要なんですね笑
 
 自分のチカラやニワカで培ったものなんてまるで通用しないと感じる落葉ロード・・・
 いや〜、こういうことを感じるだけでも学びや気づきになりますよ。

 よくよく笹倉ガイドの歩き方を見てみると・・・
 うんうん、見るのも勉強になります。早速に真似てみるのです。なるほど。こりゃ違うわ。
 なんですよ。
 足の運びや踏んでいる場所、つまり笹倉ガイドが選択しているところを勉強の糧にするわけです。

どやって渡ろっかな〜

 と、そんなこんなでゆっくりと確実についていき・・・
 「ここからは・・・・」と笹倉ガイド・・・
 「ロープを使って登っていきます。」
 といことで、笹倉ガイドがロープを伸ばしながらルートをつくっていきます。
 私はその様子を見ながら次にしないといけないことを考えておかないとですね。

 そしてトランシーバーからの「どうぞ」でいよいよ私が登っていきます。
 途中の木にプロテクションをつくっておられたので、それを順次回収しながら慎重に慎重に。
 ロープは私の登るペースで笹倉ガイドが操作してくださっているのがわかるので、足場がかなり険しくて緊張感はありますが、同時にとても安心感がありましたね。

 しっかりと岩を掴みながら、足場を確認しながら、いよいよ地蔵岳の取りつきにやってきました。

 ぬあーーーー
 たけえーーーーーー(翻訳:高いぞー)

写真じゃ高さがわかんねーや

クライミングの入口で

 取りつきから見る地蔵岳は前回登った場所と全く違う様相です。
 掴みどころがなさそうな岩肌が私を拒んでいるかのようにも見えますね笑

 早速クライミングの準備をして、まずは笹倉ガイドが登り始めます。
 すると、前日から降り続いた雨の影響でルートが濡れて滑りやすくなっている様子。
 これはということで、ピークまでのクライミングを断念して、登れる範囲のクライミングとロープの扱い、ラペリング方法などの「操作」、そして最も大事な「確認」を指導していただきました。
 
 少しの登りでしたが、これが何ピッチも続くと思うと、「操作」や「確認」は確実に行えないと行けないですよね。これはしっかりと今回を習得しておこうと。

 今回は登山でもクライミングでも、とても勉強になることが多かったです。
 そしてそして、何よりマンツーマンということもあり、ロープやデバイスのことを聞くことはもちろん、クライミングの合間の休憩では笹倉ガイドとたくさんお話しができましたし、これは素晴らしい経験でしたね。

次回はピークまで至りたい

下山はオーバーハングのラペリング

 何かの歌のタイトルみたいになっちゃいましたが、曇っていた天気がいよいよ崩れ、霧雨がシャラシャラと落ちてきたので、これ以上の崩れを予測しての「撤収」となりました。
 う〜ん残念です。
 が、山はそこに鎮座しているのでいつでも来れることでしょう笑
 ガイドしてくださる方の存在が何より大きいですが。

 さてさて、下山です。
 今回、地蔵岳のピークに登ることができれば、下山は別のルートということでしたが、撤収になったので登ってきたルートを下りることになります。

 下山も笹倉ガイドが先行してロープを伸ばしていきます。

 笹倉ガイドから合図があり、ロープにビレイデバイスをセットして待機します。
 まずは笹倉ガイドがラペリングで降下・・・
 「どうぞ」ということで、私です。
 慎重に慎重に下りていくと・・・
 ん?
 お〜!!
 オーバーハングになってる〜
 これは体の動かし方に気をつけないとなあ
 ビレイデバイスの扱いも慎重に慎重に
 
 あと少し・・・

 ・・・ト

 安定した場所に足が着き、もうしばらく下りるとロープの端末側に笹倉ガイドの姿が確認できました。

 あ〜下りてきたところを見上げると・・・
 う〜んものすごいショートカット笑

 登ってきた道を回らずにスドーーーーんと真っ直ぐロープでラペリングしてきたわけです。
 安全に。

 このルートセッティングも勉強ですよね。
 先々を見て、周りにあるそこにあるモノ、自分達が持っているモノだけでクリアしていくっていう。
 もうこれめちゃめちゃ面白いって感じますね。

新世界の扉の向こう側

 今回の新世界の扉は「マルチピッチクライミング」でしたが、お天気の影響でその扉の向こうの一端しか見ることができませんでした笑
 だけど、これはですね、とっても見たくなってきましたよ笑
 もっと向こう側に行きたくなってきました。
 もっともっともっと。
 ただ、その旅を続けるにはまだまだまだまだ準備が足りないとも感じましたね。
 と同時に、ほーーーーーんの少しだけですが、最初に進むべき方向は見えた気がします笑

 山岳ガイドの笹倉孝昭さん、この旅は大変お世話になり、ありがとうございました。
 次回は私の地元県の「アノ山」でお世話になるかもしれません笑
 そのときもどうぞ、よろしくお願いします。
 
 登山ガイド事務所の山志さん、この企画で大変お世話になりました。ありがとうございました。

 それでは。

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