2023年1月1日【御来光の行方Vol.2】 » Field Only

2023年1月1日【御来光の行方Vol.2】

2023年の始まりは

2023年1月1日1時・・・新年を迎えてわずか1時間後に2023年の初日の出を求めて中国地方最高峰鳥取県「大山」に出発しました。
天気はというと・・・・曇り
まじかー笑
つい先日までは晴れマークついてたぞ?
同行者は・・・
富士山&蘇武岳を一緒に登った自称雨男のリーダー・・・
よーしこれは雪降るかもなって心の準備は万端です。
もう私の自称晴れ男はビッグマウス化してます笑
おーっかしーなあ笑こんなことなかったのにーなー笑

雪の大山

御来光登山は夏山登山道を使って往復する計画にしたので、登山口付近の南光河原駐車場に向かいます。現地に到着してみると積雪があって駐車場は圧雪状態、その駐車場にはすでに沢山の車が!
「こんなにいるんですね」ぐらいの車の台数ですが、パッと見て20台は停まっています。
ちなみに私は初めての元旦登山、リーダーは3回目ということです。

少し早く着いたので、車の中で準備を進めながら話をしているとサリサリサリサリサリと小さな小さな雪がフロントガラスをつついてきます。笑
あたーこれは降雪の登山になるなー笑
なんですが、ハードシェルやダウン、スノーグローブ、アイゼンやピッケル、ヘッドライト、DKシェルターなど、冬季登山用の装備を持ってきているのでひとまず大丈夫だろうと感じていました。

しかしです・・・6合目〜大山頂上避難小屋の間で、これじゃもう少し足りなかったなあ、と感じてしまう出来事が起こるのでした。

南光河原駐車場のトイレはとても綺麗、大切に使わせていただきます。
ちなみにこの時期の駐車場は有料のようです。

1合目から5合目

さてさていよいよ御来光登山の開始です。
登山前にすっかりやんだ雪と、シーンと静かな状況に安堵して、ビッグマウス化した自称晴れ男の私は、まだ御来光が望めると信じきってやみません笑
登山届は鳥取県のホームページで検索して、下山届が必要ない登録をしてバッチリオッケーです。

1合目から5合目は、場所によって角度が急なところはありますが、アイゼンを履いていれば問題なくザクザク進めます。山道はというと、雪が積もっていて「夏山登山道」は見ることができません。
が、人が登ったトレースがしっかりついていますし、そのトレースをガーミンのマップで突合しても夏山登山道から外れていることはないので、雪がバンバン降るような状況でなければ登り下りでの道迷いは・・・注意は必要ですよ。
トレースだけを見ながら歩くと、人が間違った道に気づかないまま自分もそっちへ・・・なんてことがありますので、いつの間にかルートから外れてるなんてことも・・・こわっ
なので、確認はマストな作業ですね。

4合目くらいからでしょうか、風の音が強くなってくるのを感じます。
ブフォーと何か野太い音ですね。
なんかこうゾーッとするようなそんな音です。

そして、御来光の期待が少しだけ薄らいだことが・・・
下山している方々に出逢います。
この時間に下山・・・これは・・・
御来光・・・見れないかもー泣
しかも下山されている方々は全身が小さな氷の粒で覆われています。
こりゃー上は相当寒そうだ・・

マップとトレースを確認しながらの登山
さすが1月1日の真夜中
新年を迎えた鳥取県西部は希望と光に満ち溢れています。

6合目避難小屋

少し柔らかい雪は歩きづらさがありますが、ほどなく6合目の避難小屋に到着しました。大山の6合目には避難小屋があって、一旦休憩と、ここからは風を遮る木々が低くなるので寒さ対策として装備を厚くしていきます。って言っても、私の場合はハードシェルのベンチレーションを閉じてスノーグローブを装備して、ピッケルの準備をするってぐらいです。

6合目になると空気感というか緊張感というかが変わってくるイメージですね。
なんでしょう。
ここからは、より慎重にねって大山に言われてるように感じます。

私達より先に着いておられた2人組の女性が山頂に向けてスタートするのを見届けて、我々もスタートするんですが、湧いてきたガスと風でその2人はあっと言う間に、まさしく秒で見えなくなりました。

山頂方向へ向かう2人組の女性登山者は秒で雪闇に包まれて

6合目から9合目まで

ここからが別世界でした。
風が西側から吹きつけてきて、顔をバチバチ叩いてきます。
雪が降っているのか、積もった雪が吹きつけてくるのか・・・ハードシェルのフードをかぶっていますが「そんなの関係ねー笑」くらいにバッチバチとぶつかってきますんで、右目が痛くて痛くて。
ゴーグルはザックの中だしクリアシールドではないので、着けたところで視界不良になるばかり。
なので、フリース付きのネックゲーターを目の下まで引き上げてなんとか・・・まったしのげません・・・まつ毛が凍るのか、まばたきパチパチがパジ・・ッパジ、バジ・・・ッバと、くっついて開けにくくなってきます。

風は強まるばかりで視界はライトの明かりが届く範囲ですが、ガスと雪で足元と10m前方がフワッと見える程度でしょうか。マップがなければどこ歩いてるのかわからないんでしょうが、なかなかの緊張感です。

そして始まる急傾斜の雪道・・・
撮影はいつもiPhoneなので撮影するには・・・ですが、歩みを止める気になれず、スマホ非対応のグローブを外す気にもなれず、その様子は言葉で伝えるしかありませんが・・・

急です。
サラサラの雪は踏んでも締まりにくく歩きにくいです。
風強いです。
めちゃめちゃ寒いです。
ひたすらそれです。

歩いている途中にトレースが見えづらくなってきたので、ガーミンのマップと周囲の様子を確認しながらの登山が続きますが、頂上に近づくほど風が強くなっていくなかで、トレースが完全に見えなくなると少し不安だなあと感じてきました。
私たちの上にも下にも人影だとかライトだとか、そういう人の気配は全くありません。

風がズオーーーーーーーーーーー
ハードシェルのフードがズーバズバズバズバズバ
雪が顔面の右側にビーシバーシバシバシバシバシバシバシバシ
2mくらいリーダーと離れると話声程度の声量では声が届きません。

私「トレース見えますー?」
リーダー「あるでー」
私「風が強いですけど、どうしますー?一旦6合目の避難小屋まで下りて待ちますかー?」
リーダー「トレース見える上がってみようー」
私「わかりましたー。マップで確認できてるので、ルートそのままで行きましょうー」

こんなやり取りをして、山頂方向に歩を進めます。

大山頂上避難小屋

大山には「大山頂上避難小屋」があります。
んが、その避難小屋があると思ってる場所に到着したと思って、南側を見るんですが、避難小屋らしきものは見えません。

ん?
もう少し先か・・・
ん?
見えないぞ?

私「マップだとこの辺りなんですが」
リーダー「見えんなあ」
私「トレースがあったんで、こっちですかね」
リーダー「かな〜、行ってみるか」
2人「トレースここまでか、小屋ないな」
・・・マジか

緊張と不安が走ります。
この風と寒さで避難小屋に辿り着かなきゃすぐに下山だなあ。
山頂まで近づいているのでそこそこ足もくたびれてます。

その時
リーダー「もう少し行ってみようか」
私「わかりました」
山頂の石碑まではあと少し、そこまで行けば避難小屋はそのすぐそばです。

帰りの車での話ですが「避難小屋がないってなったとき、2人じゃなけりゃ撤退してたかもな」って。たしかに1人だと下山してたかもなあってね。それどころか、私1人だったら6合目から少し登ったとこでやめてたかも。
なので複数登山の心強さを感じましたね。もちろんリーダーとはこれまで一緒に登った山があるってことと、お付き合いが長いってのも、心強さにプラス@ですがね。

そうこう歩いていると視界の右側に急に避難小屋が現れました。
2人「着いた〜」
と安堵

避難小屋が見つからなかった場所ですが、どうやら先行した登山者さんも誤った場所を歩いてしまったようで、その場所付近だと思っていた我々もそのトレースについていってしまって・・・
そこからバイアスにハマらずにリルートできたのはよかったですが、確認しながらと言いながら誤った場所を歩いてしまい・・・これも経験ですね。

経験、装備と、良い準備が安全な登山に繋がると感じながら、避難小屋にチェッキニンです。あ、すいません。チェックインと言っても避難小屋は予約できません。あくまで個人的な感想みたいな表現です笑

本日はここまで。
避難小屋で過ごした様子はVol.3でアップする予定です。
次回は1月4日になります。

いつも読んでくださりありがとうございます。

バッキバキに凍ってます。

このブログの主人の正体 整備士→消防士→登山ガイド・・・変態中

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松本 和志 登山ガイド / 男性

 登山ガイド(JMGA登山ガイドステージII)  国際マウンテンリーダー(IML)ハイキング・トレッキングガイド  元消防士・勤続21年(各種災害出動経験2500件以上) 挑戦があるから生きている!  これからは、登山に挑戦する人との共感、共有を通じ、一緒に笑顔になれる人生を送りたいです。  このブログでは、私の挑戦、失敗や成功、喜怒哀楽を書き綴っています。私の挑戦が誰かの何かになれば幸いです。

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