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2024年始まりのご挨拶

新年明けまして

 2024年は1月1日から、とてもショックが大きい災害が連続で発生してしまいました。
 震災、航空機事故など、被災された方々のことを思うと、とても胸が痛く、明るい気分になれない毎日を過ごしているところです。
 そして、発災から10日が経つなか、私自身にも、自分の今後が変わるかもしれない「きっかけ」になる出来事があり、波乱の幕開けとなりました。

揺れる心が示す自分

 これは昔からなんですが、私は感受性が高いのか感情移入しやすいのか、こういった大きな出来事のたびにいろんな事を考えてしまい、イライラしたり悲しくなったりと、心が揺れてしまいます。

 ・何かできることはないか。
 ・何かできるなら自分に何かさせてほしい。
 ・人の助けになることをしたい。
 ・いま動きたい

 こんな思いがとても強くなっていき、行動に移そうとします。
 その行動を止められるとイライラしてしまいます。
 何もできない時間や日にちが過ぎると、とても悲しい気持ちになってしまいます。
 自分がその現場に関わることができないことに対して、絶望すら感じてしまいます。

 今回の震災でも、同じように心が揺れました。

 1月上旬に富山県で授業が予定されていたので、災害ボランティアの準備をして自家用車に積載して出発しました。石川県災害ボランティアバンクに登録も終えました。いつでも行ける状態にしています。

 でも、自分が被災地に赴いて行えることは、発災から10日経った今、ひとつもありません。
 何もできません。

 被災地で活動している人や組織を見ていると、何もできない自分を責めてしまいます。
 被災地となった県やその隣県などの道路を走行していると、表現できない気持ちになります。
 
 こういう時に何もできない自分って何なんだろ?
 何がしたくて生きてるんだろ?
 自分が選んだ道は間違いなんだろうか?

 車のアクセルを踏む足に力が入らなくなったり、車内に流している音楽が、どこから聞こえてきているのかわからなくなって、目の前の情景が夢の中で見ているような感覚に。

 「これは危ないや」

 自分と向き合う時間が必要だ。

誰かになるな・自分になれ

 「あなたが今やるべきことは何ですか?」
 高速道路のSAで休憩中の私に電話がかかってきたのは、心が揺れているまさにその時でした。
 研修仲間が私のことを案じてか、声をかけてくれたんです。
 
 そして今の心境を吐露。

 すると「あなたが今やるべきことは何ですか?」「何よりも優先してやらないといけないことって、あるんじゃないですか?」と。

 核心に迫られてドキッとして、頭の中をちっちゃな私がドタバタし始めます。

 立て続けに、「あなたはもう、あなたが決めたことで頑張るしかない。あなたはもう、被災地で活動している人になることはできない。だからあなたは、やるべきことをやるしかない。活動している人に対して、申し訳ない気持ちがあると思うけど、そこは頑張れって伝えてあげるしかない。」と。

 そうだな。
 何をしようとしてたんだろ。
 何を考えて今の選択をしたんだろ。
 グッチャグチャになった頭の中でいろんな思いが駆け巡ります。
 
 いま自分ができること。
 1人であれもこれもできるわけがない。
 被災地で活動している誰かになれるわけもない。

 できることは限られている。
 やらないといけないことは見えている。

 じゃあやらないと、ね。

本年も

 不器用な生き方しかできない私ですが、よろしくお願いいたします。

誰かになるな・自分になれ
2024年1月5日 西天狗岳山頂にて

このブログの主人の正体 整備士→消防士→登山ガイド・・・変態中

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松本 和志 登山ガイド / 男性

 登山ガイド(JMGA登山ガイドステージII)  国際マウンテンリーダー(IML)ハイキング・トレッキングガイド  元消防士・勤続21年(各種災害出動経験2500件以上) 挑戦があるから生きている!  これからは、登山に挑戦する人との共感、共有を通じ、一緒に笑顔になれる人生を送りたいです。  このブログでは、私の挑戦、失敗や成功、喜怒哀楽を書き綴っています。私の挑戦が誰かの何かになれば幸いです。

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